第1章 はじまり
「誰と組むかはボクに決定権がある」
固い声音でいうコムイにアールは口の両端を持ち上げて言い募る。
「なら、もっと上からの命令なら?」
アールがポケットから何かを取り出してコムイに向けて見せる。それは手紙だった。封には赤い蝋が使われていてマークが浮かび上がっている。教団関係者には必ずわかる機関からの手紙だった。
コムイは絶句する。その様子にアールは嬉しそうに微笑んだ。
「理解してくれたんだね、よかった」
苦虫をかみつぶしたような表情でコムイがうめく。
「誰とパートナーに?」
アールは本当に嬉しそうな笑みを浮かべた。そして彼は自分のパートナーを告げた。
それを聞いたコムイの表情は苦しそうに歪む。アールは満足そうに笑いにこやかにその場から去っていった。