第2章 出会い、再会。
「……!? 夢……?」
ピピピピピッ。ピピピピピッ。
けたたましく鳴り響く目覚まし時計の音と共に目を覚ます。
「……懐かしいような、不思議な夢……」
夢から覚めたというのに、じんわりと残る余韻がまだ頭から離れない。
あれは本当に夢?
そう疑ってしまう程に、何故か無性に気になって仕方なかった。
「……あれ? わたし、泣いてたのかな…?」
ボーッと呆けていたけれど、頬を伝う冷たい感触に指先で目尻に触れてみる。
その指先は雫で濡れ、私は泣いていたのだと改めて認識した。
「………………」
夢を見ていたことはなんとなく覚えている。
でも、朧気にしか内容は覚えておらず。
涙を流す程に、私は何に対して悲しんでいたのか。
どうしても思い出せない。