第1章 プロローグ
青いマントを肩から羽織り、羽のついたハットを頭に被って。
白馬に跨がった王子様。
長い髪を三つ編みにして、黄色い眩いドレスに身を包んだお姫様。
二人は運命的に出会う。
「“なんと美しい姫だろう”
王子は一目で姫を好きになりました。ふたりは毎日森の教会で会い、やがて深く愛し合うようになりました……。
ところが、そのことを聞いたこの国の王は、たいへん腹を立ててしまいました」
「“我が姫をたぶらかす者は誰か? すぐに捕らえよ!”
王は王子を捕らえると、こう言いました」
そこで、ぴらりと絵本がめくられる。
現れたのはもっさりした髭を生やした尊大な王様と、その傍らで悲しそうに寄り添うお姫様。
そして王座の前で跪く王子様だった。