第71章 誕生祭
『けーくん〜。行こうよ〜。』
赤葦「...。」
男「なぁ!」
ガッ
『っ、!』
うで...。
赤葦「!おい。アンタ、あんまりしつこいと嫌われるって知らないの?」キッ
男「っ、!」
!
睨んでるけーくんもかっこいい〜。
すき〜。
男「チッ...。」
赤葦「...。何見てるの。何か顔についてる?」
『んーん、けーくんはいつもカッコイイね!』
赤葦「...。はいはい、相変わらず俺のことが好きだね。」
『うん!すきすき〜。』
赤葦「じゃあ、変な男連れてくるのやめてくれる?」
『連れてきてないもん!ついてきたんだもん。』
赤葦「せっかく会うの楽しみにしてたのに、最初に目に入るのが男と一緒とか最悪なんだけど。」
『ごめんね〜。』
赤葦「まあ、許す。誕生日前に怒らないよ。」
『えへへ。』ニィッ
赤葦「その顔やめて。」
『!むぅ、』
その顔されると何でも許してしまう。
可愛い。
俺だけに向けられる笑顔。
きっと彼女の意識が甘いのは
彼女に甘い俺のせいだな...。
赤葦「もうすぐ俺より歳上になっちゃうね。」
『うん!先に17歳になる〜!ふふっ、けーくんより大人だ〜。変な感じっ。』
赤葦「あおいには大人っていう言葉が似合わないね。」クスッ
『えぇ〜。そう?大人っぽくなりたいんだけどなぁ...。』
赤葦「んー。」
『な、なに〜!』
赤葦「...。あおいは、大人っぽいって言うより可愛いから。」
『うぅ...。』
けーくんが可愛いって言ってくれた...。
赤葦「...。」
赤くなりすぎ。
やっぱり可愛い。
『が、頑張って大人っぽく。なり、ます、っ、!』
赤葦「そのままでいいのに。」
『17歳の目標はね!NOと言える大人になることっ!』
赤葦「...。なにそれ。」クスクスッ
彼女の思考回路の全てが俺のツボだ。
行動も言葉も。
いちいち目が行く。
たまに誰にも見せたくないって思う。
街中歩くのも妬けるくらい。
多分、彼女が俺にハマっている以上に
俺は彼女にハマってる。
たわいもないハナシですら
心地よく感じる。
気がつけば東京空港から
俺の家についていた。
俺の家といっても
シェアハウス。
言い方を変えれば下宿所?