第63章 アカアシ彼女
…
そして今に至るわけだが。
部活が始まったからといって
気は抜けない。
彼女が可愛いと騒ぎ立てているのは
バレー部だけじゃない。
はぁ。
そして、要注意人物は
木兎「あおいーーっ!」
やっぱり木兎さん。
『はーい、!』
木兎「これ!頼んだっ!!」
自分が着ていたジャージをあおいの頭に
ぼふっ
っと、かぶせる。
『あ、はい…。(笑)』
木兎さんの匂い。
柔らかい柔軟剤の香り。
赤葦「…。」
木兎さんもあおいのことが好き。
間違いなく。
でも、渡さない。
だって、君は俺にもう溺れてるでしょ?
離さないよ。
赤葦「はぁ…。」
『おつかれさまです、はい、どーぞ、?』
彼女が、横に並び俺のボトルを手に持っている。
赤葦「…。ありがと。」
『いえいえ、っ、』
木兎「あ"ーーーっ!俺もっ!俺のはっ?!」
『はい、どーぞ。』ニコッ
京治さんがどんな表情をしてるのか
どこを見てるのか
一々気になって。
チラッと、癖で見てしまう。
京治さんが、フッと、柔らかく笑う。
あぁ、私は京治さんから離れられない。
好きです。
ドキドキ伝わってますか…?
木葉「あー。なんか、幸せになりてぇ。」
赤葦「?」
木葉「なんかさぁ、お前ら見てっと、幸せ感じるんだよね。」
赤葦「そうですか?」
木葉「俺の理想!」
赤葦「木葉さんモテるんじゃないんですか?」
木葉「まあね!!でも、あおいちゃんみたいなイイコいねぇよ(笑)俺も欲しいくらいよ(笑)」
赤葦「俺は敵が多すぎて。」
猿杙「あー!木兎とか、木兎とか、木兎ねっ!」
赤葦「まぁ、そんな感じです。」
木兎「あおいーーっ!おれのロンティーは?!ジャージは?!」
『そこでーす、?』
木兎「ん!!」
『?』
木兎「着せてーーっ!!」
『自分で着てください…。』
木兎「え〜やだっ!!」
『はぁ、わがままですか?まったく。』