第49章 ナツノオモイデ
灰羽「いえーーーいっ!あおい負け〜っ!(笑)」
『なにすんのよ!ばかーーー!』
全力で走りリエーフを追い回す。
手足の長さじゃリエーフが上だけど。
素早さと、小回りが利くのはあおいだ。
リエーフとちがって
バレーを何年もやっている。
東京はどこも強豪だ。
その強豪の中の強豪で育ったあおいは
一味違う。
足の速さで勝てないならば
頭を使う。
だが、まあ、追いつくはずもなく。
手にしているのは
水風船。
唯一届く武器。
走りながらでも
キョリ
空間計算
完璧な力加減。
ギリギリまで走って、
全力スイング。
灰羽「いったぁぁあっ!!!」
薄いシャツ1枚のリエーフの背中で
大きく水を含んだ水風船が破裂する。
『ハッハッハっーーー!!』
犬岡「すっげぇな!あおいっ!いぇいっ!」
『いえーいっ☆』
黒尾「だがしかしだな。その下着はどうにかしたまえ。」
『黒尾さん変態☆』ニッ
えいっ、これでもくらえ!!
っと、言わんばかりに
隠し持っていた水風船を投げる。
ここで不意にやってくる。
我校の生徒指導の先生。
めんどくさいったらありゃしない。
全員一斉に逃げる。
見つかったら
日が暮れるまで説教だ。
リエーフはバスケ部の倉庫へ
犬岡は素早くバレー部の部室へ
山本は体育倉庫に駆け込む。
黒尾は男子トイレへ
あおいは?
黒尾「わり。」
『っ!』
黒尾に担がれているあおい。
あおいを優しく降ろす黒尾。
『何してるんっ、!!ん、!!』
黒尾は慌ててあおいの口元を押さえつける。
黒尾「っ!!」
ばかじゃねーの!!
先生「誰かいるのか?」
シン…
去っていったようだ。
だが、足音がする。