第26章 赤葦くんと木兎くん。
俺は条件反射的なものでペコッとお辞儀をする。
彼女は、満面の笑みでブイサイン。
あー。
なんか、この会場で名前を叫ばれる彼女が
俺だけの方を見て笑ってくれてるっていう
特別感。
それが俺の気持ちを焦らせる。
猿杙「なぁ!!あのセッターの子こっち見てねっ?!」
木兎「んあ!!ほんとだっ!、!!おーーーいっ!!」
彼女は変わらない笑で
ペコッとお辞儀をして、去って行った。
そして、さっきまで試合をしてた女子が上に上がってきた。
選手は大きな梟谷学園高校と書かれた緑のバスタオルを肩にかけている。
彼女は俺の前に荷物を置いていたらしく
俺の前に座る。
木兎「あーっ!!おまえっ!めちゃくちゃ、すごかったぞ!!!何年だっ?!」
『ありがとうございます!2年です!』ニッ
木兎「まじかっ!!!すっげぇな!!!」
木葉「彼氏とかいんの?!」
あ、木葉さんナイス。
『はははっ(笑)ここまで大きいと彼氏できないんですよね~(笑)』
猿杙「俺より普通にでかい…」
木兎「それは、サルがちいさいだけっ!」
彼女は、ふふっと、笑いながら
ウィーダーゼリーを、くちに含む。
『??どーかしましたか?』
赤葦「!!」
どうやら、俺がじっと見つめていたのがバレたらしい。
『あ、これ、食べますか?』ニッ
といって、飲みかけを渡す彼女…
『あ、飲みかけ。じゃ、こっち!』
といって、バックの中から
もう一つのウィーダーゼリーを引っ張り出す。
赤葦「どーも…」
基本俺はこーゆーのは、飲まない。
だから、恐る恐るのんでみる。
マスカット味。
甘くて…
君にぴったりな味。
『どー?おいしい?』ニッ
赤葦「ん。おいしい。…」
『よかった♪』
赤葦「名前、聞いていいですか?」
『あおいです!宮本あおい!』
赤葦「好き。」
『ふぇ?!』
赤葦「この、味。」
『あ、あじねっ!、うん!、あたしも、好き!!』