第20章 赤葦くんって…
…
……
赤葦「…大丈夫ですか。?」
『んあ、えっと、ん、っと、はいっ、?』
赤葦「いま、俺、すっごく気分悪いんですよね。」
そういって、座り込む赤葦。
『えっ?!か、風邪ひいたっ?!』
赤葦「いや。ちがいます。…」
『じゃあ…まさか…』
なにやら、彼女は急にわなわなと、
そわそわし始めた…
『お、オバケに…』ぶんぶんっ
自分で言ったくせに
自分でそれはダメだと横に首をぶんぶん、ふっていた。
見てて飽きない。なにより
俺にはない、思考回路。
もっと知りたい。
と、思ってしまう。
赤葦「ふっ。(笑)ちがいますよ。」
『あ、笑ったな。結構本気で考えたのに。』
そういって、不機嫌になる彼女は
本当に可愛いと思う。
赤葦「ねぇ。」
『んっ?』
そう言って彼女は俺の方を振り向く。
月明かりに照らされる彼女の顔。
小さい体。
手。
愛おしくなる。
赤葦「…。」グイッ!!
『…あっ!!』
俺は急に腕を強つかみ引っ張った。
その反動であおいさんはバランスを崩し
俺の上にもたれかかった。
『ふぁ!!ごめんなさいっ!!お、重かったですよね?!怪我してませんか?!?!!』
赤葦「ぷハハハっ!俺が引っ張ったから、あおいさんがコケたのに俺の心配してくれるんだ。?」
『え?!だって!!』
び、びっくりした…
赤葦くんって、あんなふうに笑うんだ…。
赤葦「ごめんね。ほら、俺の隣寝転んで。上見て。」
私は言われたとおりに上を見上げる。
コンクリートの温度が少しずつ体に伝わる。
ひんやりとしたコンクリート。
視線の先には
冬の満天の星空。
『…っ!!』
言葉に詰まった。
綺麗過ぎて。
ああ、空ってこんなに綺麗だったんだ…
赤葦くんと森に入ってる時も
今も。
きっと明日も…
感動で、突然ふわっと、涙が出てきた。
『…。』
赤葦「…な、っ、なんで泣いてるんですか…?」
『んっ、わかんないけど…たぶん、感動したから?かな?(笑)初めて見た…東京って、星が見えないんだと思ってた…』
赤葦「ここは、特別な場所。誰にも邪魔されないところ。」
そう。俺の好きな場所。