第2章 真っ白な彼女と真っ黒な彼
先日見知らぬテニス部の人に、こ、ここ告白もどきっぽい事をされてしまいました!
【におうまさはる】と名乗った彼は、私の大好きな蘭の品種、純白仁王みたいに、艶のある魅力的な男の子だった。
今まで周りにいた男子たちとは全然違う雰囲気を持っていて、かっこいいけど、でも、どこか胡散臭い。妙に擦れたカンジで、同い年になんて全然見えなくて。
そんな人が、まさか自分に「愛情注いでみんか?」なんて言ってくるとは夢にも思わなくて。きっとふざけてるだけかなと思ってその日は彼の元から逃げ出したけれど。
甘かった。
仁王君はそれからは、必ず1日1回は私の視界に入るようになった。
「どうすればいいのかわかんないよ」
私の頭はヒート寸前。
やっぱり彼を見ると逃げることしか出来なくて。この心臓のドキドキは一体どうしてしまったんだろう。