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音符のみつけ方

第1章 ニューゲーム


side 龍也


「・・・・・・なぁ、林檎」

「なぁに?」

「お前うちの社長からなんか東椰について聞いてねえか?」

「このちゃん?
何も聞いてないけど・・・。って言うか、担任のあんたが何も聞いてないのに私が知ってる訳ないでしょ。
ついさっき初めて会ったのよ?」

「・・・だよな」






東椰と一ノ瀬と別れて、俺と林檎は職員室に戻った。


最初…東椰と初対面を果たした時に思った第一印象は、不思議な奴。

造作に伸ばされた鼠色の髪は邪魔じゃないのかと思いたくなるくらいだ。あれでよく前が見えるな・・・。
それにあのやる気があるのか無いのかよく解らない薄灰色の目。寝不足なのかもしれないが、女子なんだからもうちょい笑ってもいいと思う。



社長からは「彼女は女神にも悪魔にもなる、ムゲンダイのpossibilityを秘めているのデース!!」としか言われてなくて、毎度の事ながらその自信はどこからくるんだと突っ込みたくなった。






「ったく・・・うちの社長はなに考えてんだか」

「ま、気楽にいけばいいんじゃない?
それにしても、まさかトキヤちゃんも来るなんて意外だったわね~」

「東椰の歌に惹かれたんだろ。
あいつら二人、なんかどことなく似てるしな」

「ふふっ。
でも、うちの学校で唯一のシンガーソングライター志望って言うだけはあるわね。このちゃんって」

「ああ・・・俺もさっき初めて聞いたが、かなりのレベルだぜ。あれは」

「あら、そうだったの?」

「入学考試に提出した歌がさっきのらしいぜ。
東椰の入学に決定権出したのは社長だしな」

「へえ、そうなの。
でもわかる気がするわ。私だってあの子に光るものを感じたもの!」

「・・・だな。
まあ、しばらくは見守っててやるとするか」





ああ言う性格も個性のひとつだろう。

なんにせよ、林檎も言ってたみたいに気楽にいくか。




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