第10章 エクストラワン
[うーん、とってもいい歌声だったね!
本人の希望で名前は言えないけど・・・ボクとしては是非ともまた出て・・・え、あっダメ?
・・・NGが出たから、ホントに残念だけどここは潔く引き下がるとするにゃあ!
さてと!
それじゃ次のコーナーいってみよー☆]
日曜日。
ぼくはシャイニング事務所の事務室でテレビを見ていた。隣にはランラン、ローテーブルを挟んで向かい側にはミューちゃん。
ちなみにぼく達が事務室に集まったのはぼくが呼んだからじゃない。ぼくが呼んでも集まってくれないのは解ってるしね。・・・うん。
ぼく達がここに集まったのは、ぼくが見ていたテレビから聞き慣れない歌声が聞こえたから。番組自体はハヤっちのなんだけど・・・歌ってる女の子は、初めて見る子。
「うわー・・・ねえ、2人は今の子知ってる?」
「・・・知らん」
「知らねえ」
「あはは・・・だよね。
でも・・・あの子本当に楽しそうに歌ってたよね。ぼく釣られて楽しくなっちゃったもん!
シャイニーさんなら誰か知ってるかな・・・」
「オヤジに聞くより、ハヤトをとっ捕まえて吐かせりゃ早いんじゃねえか?
あいつの番組なんだし」
「あっ、そっか。
じゃあ今聞いてみよーっと」
ランランに言われて、スマホをポケットから取り出してLINKで聞いてみる。ハヤっちはつい最近LINKを登録してくれた。ちょうど移籍した時だったかな?
♪
LINKを飛ばして、すぐに返ってくる。
ちょうど休憩だったみたい。
「えーっと・・・?
知ってるけど、ヒミツ!
でも嶺二くんは僕の友達だから、ヒントあげるね。ヒントは・・・・・・早乙女学園!
・・・だってさ」
「早乙女学園・・・?
生徒だとでも言いたいのか」
「・・・そう言や、月宮さんが最近キャーキャー言ってたな。多分SかAの生徒なんじゃねえか?」
「・・・・・・そう簡単には教えてくれそうにないだろうな。
そんなに気になるならば、自分の足で行ってみればいいだろう」
「えーっ、みんなで見に行こうよー!
れいちゃん1人じゃ寂しいよっ!」
「キメェ」
「貴様が今の女を見つけ出せたら行ってやらんでもない」
・・・・・・うん。
これがランランとミューちゃんの通常運転だもんね。