第8章 スイッチシンガー
あー美味しかった。
休憩も終わり、私達はまたサクサク進んだ。
そしてシャイニング事務所に到着。
事務所って言うかスタジオと一緒になってるから、私達が今居るのは3つあるスタジオの内の一つの第一スタジオ。
私達が来るって事はハヤトにも日向先生にも伝えてるから、大丈夫なはず・・・なんだけど・・・。
そうは問屋が下ろさないそうだ。←?
『・・・・・・出演する予定のゲストが来れない?』
「ああ・・・。
なんでも、車で向かってたらしいんだが信号無視のトラックに当たられて更に対向車線走ってたバイクに当たられてそのまま歩道に突っ込んで歩行者をギリで避けたと思ったら信号機に正面衝突して・・・病院送りだとよ」
『・・・なにその二次災害を絵に描いたような事故。
それで空いてる人が居なくてハヤトの収録でやるゲスト紹介が出来なくて困っている・・・と』
「そうなんだけど・・・・・・ねえ、コノハちゃんぎゅーってしていいかにゃ」キリッ)
『真顔で言わないでくれるかな』
「そうだよ、俺だってトキヤに止められてなかったらずっと手を繋いでたいのに!」
「音也?」
「・・・はい」
『・・・で、今日中に録らないとスケジュール的にアウトだと』
「ああ・・・今ん所打つ手が無くてな」
スタジオではどうにかしようとしているのか、スタッフの人達が慌ただしく電話したりバタバタしている。
うーん・・・女装してるAクラスの男子3人とか早乙女学園の制服のまんまのSクラスの4人は見学に来てる感じだけど、なんだか私の格好・・・場違いな気が・・・。
・・・ん?
・・・あ、そうだ。
『ハヤト、それって素人が出てもいい感じの番組?』
「へ?
・・・うーん、まあ時々新人のアイドルとかもゲストで呼ぶかな。ほとんど大物歌手とか有名な歌手が多いけど・・・コノハちゃん、どうしたにゃー?」
『私、出よっか?』
「「・・・・・・え?」」
『ハヤト困ってるみたいだし・・・。
ほら、私の今の格好とか丁度いいかなーって』
ハヤトが目をぱちくりさせる。
他のみんなもきょとんとしてる。
日向先生は腕を組んで少し考えて「・・・ちょっと待ってろ、聞いてみる」と歩いて行った。