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音符のみつけ方

第7章 マジカルブレイク


side ハヤト


「、っくしゅんっ!」

「おっと・・・HAYATO風邪か?」

「うーん、多分噂かにゃー。
あっ、もしかしてトキヤが寂しがってるのかも・・・!」

「ははっ、本当に弟大好きだな」

「えへへ、だってボクの弟だからね!」






アルバムの撮影に向かう車に乗ってたら、くしゃみをしちゃった。一回だったらいい噂だったよね。

マネージャーの氷室さんが運転しながら、バックミラーでボクの方を見てくる。
トキヤの事を思い浮かべて笑顔になると、氷室さんがクスリと笑ってくれた。






「・・・それにしても、お前何かあったのか?
前よりずっといい顔するようになったぞ」

「えっ、そうかにゃ?」

「ああ、なんて言うか・・・胸のつっかえが取れて清々しくなったような感じだ」

「・・・へへっ、さすが氷室さん」

「何があったのかは知らないが・・・その調子でこれからもがんばれよ」

「はーい!」






氷室さんと雑談しながら、撮影場所に到着した。

車から降りて、撮影時間まで休憩。


ふと、心羽ちゃんの事を思い出す。

今頃学校行ってるのかなー、トキヤってば心羽ちゃんにもっと優しくしてあげればいいのに。
ボクになってた時、心羽ちゃんにぎゅーってしてたのに。むう・・・あれじゃ先が思いやられるにゃあ。


・・・正直、トキヤが〝HAYATO〟ってアイドルを演じてくれてすっごく感謝してる。
でも・・・それと同時にトキヤがそのボクが原因ですっごく葛藤してたのを見て、どうすれば最善策なのか解らなかった。
トキヤがボクを辞めたら・・・ボクは消えちゃうから。
・・・消えたくない、このままずっと〝HAYATO〟で居たい。

そんなトキヤの前に現れて、〝HAYATO〟のフリを見抜いてくれたのが心羽ちゃん。
凄いよねー。心羽ちゃん。出会ってすぐに見抜いちゃうんだもん。


本当に、彼女は不思議な女の子。
普通でもなく、特別でもない女の子。

でも、それが心羽ちゃんのいいところ。






「HAYATO、そろそろ始めるぞ」

「はーい、今行くにゃー!」






そんな変わった子だから、ボクは大好きなんだ。
トキヤだった頃から・・・HAYATOになれた今も。
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