第4章 パートナーデイズ
サラサラ
サラサラ
・・・あれ?
なんだろう、この感覚。
なんだか誰かに撫でられてる・・・気がする。
『・・・・・・・・・・・・ん・・・、・・・・・・?』
「・・・お目覚めですか、マイロード」
『・・・・・・えーと、・・・取り敢えずロード呼びは・・・やだ・・・』
「そうですか・・・では、コノハと呼びますね」
『・・・ん、それなら・・・いい』
うあー、ダメだ眠い・・・。
日に焼けた肌のエメラルド色の瞳の男子が「・・・おやすみなさい、コノハ」と呟いたのを聞きながら私はまた眠りに落ちた。
で、翌日。
↑の事をSクラスの3人に話してみれば、案の定鼻で笑われた。あ、ちなみに鼻で笑ったのは一ノ瀬くん。寧ろ鼻で嗤われた。
『一ノ瀬くんに言った私が馬鹿だったよ・・・』
「まさか貴女がそんな乙女チックな夢を見るなんて思いもしませんでしたよ・・・ふっ」
『また嗤ったし。
でもあれ夢だったのかな・・・夢にしてはやけにリアルだった気もするけど』
「ふーん・・・でも、さすがに女子寮に入るなんて普通はやらないよね。レディの名前も知っていたって事は知り合いじゃないのかい?」
『えー・・・あんな爽やかなイケメン知り合いだったら絶対忘れないけど』
「ま、次会えたら知り合いか聞いてみればいいんじゃね?」
『うーん・・・そだね、そうしとく』
「ところで、さっきから書いているその楽譜は誰かの課題曲ですか?」
これ絶対信じてねーよ一ノ瀬くん。
そんな一ノ瀬くんが私がさっきからペンを走らせてる五線譜シートを見て言う。
『これ?
自分のだけど課題曲じゃないよ。これが課題曲だったら、私の自分らしさイコール和風ロックになっちゃうもん』
「課題曲じゃない・・・?
それじゃあ、課題曲は進んでるのかい?」
『私の課題曲ならもう完成してるよ。
・・・よし、出来た』
「なあなあ、それ次の自習の時に聞いてもいいか?」
『別にいーよ』
来栖くんが行くのなら自分も、と一ノ瀬くんと神宮寺くんも聞く事になった。
・・・あ、そう言えばあのにゃんこ魚型ビスケット食べてくれたかな。