第3章 オーバーフロー
「レディがシンガーソングライターを目指しているのは承知の上さ。
・・・それに、これは思いつきじゃない。オレの本心だよ、聖川」
「本心だと・・・?」
「ああ。
お前も気づいていない訳じゃないだろう。レディの魅力・・・純朴な音楽性に」
「・・・お前・・・」
『ピリピリしてるところ悪いんだけど気持ちだけ受け取っておくよ、神宮寺くん』
今にも一触即発な雰囲気の二人。うん、やっぱこの二人仲が良いって訳じゃないよね。
ここで喧嘩に発展されても困るし、私は話に割り込んだ。
「レディ・・・。その理由を説明してくれるかな?」
『一人の方がいいから。
自分で曲を作って、自分で歌えていれば十分だし』
「・・・相変わらずですね。
そこまで1人がいいと?」
『死ぬかパートナー組むかって言われたらさすがにパートナー組むけど・・・なんて言うか、男子にいい思い出が無いから』
「そうなんだ・・・。
・・・・・・そうだ!
じゃあさ、仮パートナーを組むって言うのは?」
ガサッ
「HUUUUUUUUU!!
ようやっと見つけマシタよMiss.東椰!!」
『、ぅわっ!?』
赤髪男子が仮パートナーがどうのと言った瞬間。
私の背後の茂みから音も気配も無く早乙女学園長が現れた。・・・一瞬マジでクマだと思ったよ。
「あ、おっさん!
あのさ、この子の仮パートナーってなれないの?」
「OH、Mr.一十木。
ふむ・・・仮パートナー、ですか。・・・イーヨ!!」
『、ちょ・・・早乙女学園長?』
「Miss.東椰・・・ユーが初登校のホームルームで特技披露をskipした事をミーは知っているのデス。これはそのペナルティーなのデース!」
『えー・・・。
・・・はあー。解りましたよ、正式なパートナーじゃないだけまだマシだし・・・仮パートナー、組んでみます』
「フフフ・・・聞き分けが良くてヨロシイ。
ではMiss.東椰と仮パートナーを組みたい人は明日、ミーの学園長室へ来てクダサーイ!」
と、言う事で。
赤髪男子と早乙女学園長のコンボで私は仮パートナーを組むことになった。誰と組むのかはまだ決まってないけど、あまり有名になりたくないと思いました。
・・・もうなりかけてるなんて言わせない。