第3章 オーバーフロー
『・・・ちなみにあの二人、なんて?』
「自己紹介の時点で浮いてる女子だけど音楽性は凄いって」
『まあ確かに浮いてるけど・・・。
褒めてもなんも出ないって言ったのに』
「あ、あの・・・心羽さんの歌、聞かせてもらっていいですか?」
「あ。私も聞きたい!」
『んー・・・別に私は構わ、・・・?』
ボコンッ!!
「キャアッ!?」
「HAHAHAHAHA!!!
よ〜くぞ集まってくれマシタね、SクラスとAクラスのユー達!」
『あ、早乙女学園長』
七海さんと渋谷さんと喋っていると、私達が居るグラウンドのド真ん中から何かが飛び出してきた。
その何かはクルクルと十回くらい回転して着地して、私達の方をビシッと指差して声を上げた。
・・・久々に派手だね、早乙女学園長。
「全員集まったようなので・・・ボチボチおっぱじめたいと思いマス!」
『全員・・・?
・・・あ』
ぽんっ
この人は本当に何者なんだろう。
私が早乙女学園長の言葉に首をかしげた瞬間、なんとも気の抜けた・・・と言うかゆるい音がした。
そしてその音と同時にどこからともなく散る星。
そしてその星と同時にどこからともなく男子達。
・・・えー。
「、ここ・・・グラウンド?」
「まったく・・・最初からここを集合場所にしてくれれば良かったのに。ボスのやる事は読めないね・・・。・・・おや?」
「あっ、ハルちゃんと友千香ちゃんです〜!」
『・・・げ』
あれ、おかしいな。
現れた男子達の中に数名見覚えありすぎる男子が居るぞ。三人程。
・・・てか、このメンツ・・・。
「・・・今度は何を言われるのでしょうね。
そしてまさか貴女と一緒のグループになるとは思ってもみませんでしたよ、東椰さん」
『奇遇だね、私もこれっぽっちも思ってもみなかったよ、一ノ瀬くん』
「えっ、なになに?
その子の事知ってるの、トキヤ?」
「以前言ったでしょう、現在進行系でもクラスで浮いている女子ですよ」
それを本人の前で言うのか一ノ瀬くんや。
一ノ瀬くんが女子に話しかけてるのが珍しかったのか、集合させられた男子達もこちらに集まってきた。