第3章 オーバーフロー
「ほ、本当にごめんなさい・・・っ!」
『私は大丈夫だから。
そんなに謝んないで、ね?』
「で、でも・・・私の不注意なのに・・・」
『別に私も君も怪我してないんだし、私も注意力散漫してたし・・・』
「あうう・・・そ、それならいいんですけど・・・」
「おっはよー!・・・って、何やってんの春歌?」
5月。
レコーディングテストを無事に終わらせてその3日後。
今日はS・A合同授業の日だ。
昨日、日向先生に発表されたそれぞれの指定集合場所に私達は居た。
私はその指定されてるグラウンドにやって来た・・・んだけど、ついさっき赤髪の女子とぶつかった。そして冒頭に戻る。そんでもってその友達らしき赤桃髪の女子がやって来た。
「あ・・・トモちゃん」
「どしたの、あわあわしちゃって?
って、こっちの子は?」
「え、えっと・・・私がよそ見をしてたからぶつかっちゃって」
『んや、私も音楽聞きながら歩いてたからね・・・ほら、もうおあいこにしよ?』
「・・・なんかよく解んないけど、あんた達ぶつかっちゃったのね?
ま、この子もこう言ってんだしおあいこでいいんじゃない?」
「うー・・・うん」
「よし!
えっと、それであんたは?
私達はAクラスなんだけど・・・教室で見た事無いって事はSクラスよね?」
『ん。Sクラス』
「なんか初対面があれだけど・・・私は渋谷友千香よ。
こっちが・・・」
「あ・・・、な・・・七海春歌ですっ」
『・・・東椰心羽』
「・・・・・・、東椰・・・さん・・・?
あの・・・もしかして、聖川様と一ノ瀬さんが言ってた東椰さん・・・ですか?」
『あの二人がどう言ってたのかは知らないけど・・・多分その東椰で合ってると思うよ』
「って事は・・・あんたがあの東椰って子、?」
・・・いや、あの二人この子達に私の事をなんて言ってたんだ。
私は特別特殊な事をした覚え無いぞ。