第17章 コンフュージョン
「・・・あらっ?
私ってば何を・・・」
「何をじゃねえだろ・・・。
おい、東椰。無事か?」
『』
「・・・おーい、東椰ー?」
『・・・はっ!』
日向先生が私の顔の前で手を左右に振る。
やっべ、立て続けの急展開に一瞬だけ意識トんでたわ。
月宮先生を私から引き離してくれたようだ。うわあありがとうございます・・・!
『えっ、日向先生・・・?』
「お、戻ってきた。
社長から聞いて、取り敢えず薬の効果が切れるまでお前を保護しとけって言われたんだが・・・ある意味手遅れだったか」
「やぁね、手遅れって何よ」
「生徒に手を出そうとする奴が居るか。
・・・・・・ん?
どうしたお前ら。神宮寺も一十木も、固まってるみたいだけど・・・」
なんかあったか?と聞いてくる日向先生。
この様子からすると日向先生は私が月宮先生にキスされた場面は目撃していないらしい。
当の本人の月宮先生は上機嫌。
レンと音也に至っては頬を少し赤くしている。
・・・うん、まあ目の前でリアル以外のなんでもないキスシーンを見せられちゃったんだしそうなるよね。
「・・・気にしないでください、はは・・・。
それより、龍也さん。
その手に持っているのは?」
「ん?
ああ、これは学園祭のパンフレットだよ。
全部のクラスの出し物が決まったから、さっきまで作ってたんだ。ほら、お前らの分」
レンが話題を切り替えて、日向先生が手に持ってた数枚の冊子を私達へ渡してきた。
その冊子を受け取る。
表紙には〝第15回早乙女学園学園祭出店案内〟と書いてあった。・・・15回目なんだ。
私達のグループが出す欄を見てみると、そこにはしっかりと執事メイド喫茶と書いてあった。
『わー・・・いよいよだね』
「うんっ!
心羽も元に戻れたし、みんなで絶対に成功させようね!」
いつになく楽しそうな音也。
レンも内心楽しそうにして微笑んでる。
その後、他のみんなと合流してみんなにもパンフレットを手渡した。
みんなも同じように口々に楽しみだと言ってくれて、翌日改めて衣装合わせをした。
なんやかんやあっても、学園祭まであと1週間!