第16章 フィーリング
月宮先生に絶対着てけって言われて、月宮先生お手製の服を着て寿さんと合流したら何やらめっちゃ喜ばれた。
寿さん曰く、オドロキマンなるカードゲームが今度実写化するらしくそのヒロインの衣装なんだとか。
足元スースーするからあんまりスカートとかワンピースとか着たくないんだけどな・・・。
早乙女学園のは、指定だから仕方ないけど。
『なるほど・・・道理でちらちら視線浴びるわけですね。
道中で声かけられて対応に困りましたよ・・・。急いでるって言ってスルーしましたけど』
「うんうん、多分写真を撮りたかったんじゃないかな?
ぼくだって是非ともツーショットお願いしたいもん!」
『えー・・・そんなにですか?』
「そりゃあもう!
grayちゃんってスタイルもいいしノーメイクでも十分可愛いし、その上作る歌とかもとっても魅力的でぼくとしてはメロメロだよ?」
『メロ・・・?
・・・まあ確かにこの服は可愛いと思いますけど』
「服だけじゃなくて、grayちゃんが可愛いのっ」
『・・・・・』
「?
どうしたの??」
キョトン、と首を傾げる寿さん。
・・・なんだ。なんだ?
寿さん、雰囲気って言うかなんだか音也と同じタイプな気がする。
『寿さんって、なんか面白いですね』
「、へっ?
お・・・面白い??」
『なんて言うか・・・一緒に居ると退屈しない感じですかね』
「・・・そ、そうかなあ?」
『はい。
あ、それはそうとこれからどうします?』
私がそう聞けば、寿さんは「ゆっくり歩きながら話したいところだけど・・・この前みたいに追っかけの子たちに見つかっちゃったら大変だから、シャイニーさんが所有してる遊園地とかどうかな?」と提案してきた。
遊園地か・・・。まあ、私の格好が格好だからなあ。
寿さんも軽く野球帽みたいなキャップ被ったりメガネかけたり変装してるけど、ファンとかが見たらすぐにバレちゃいそう。
『そうですね・・・人通りも多くなってきましたし、行きましょっか』
「よーし、それじゃ行こっか♪」
お手をどうぞ、と差し出された手。
私は少し迷ったけどその手を取った。
と言うか寿さん普通にイケメンなんだけどどうしようこれ。