第12章 アビリティー
「あ・・・心羽ちゃん、日向先生・・・!」
「お。迎えが来たみたいだな。
・・・おーい、東椰大丈夫か?」
『・・・・・・もう二度とバンジーしない・・・』
「あはは・・・そう言えばあんた前に学園長から同じ事されてたんだっけ」
バンジー終了。
私と日向先生はパラシュートで着地して、コテージへ帰って来た。
少しやつれてる私を見兼ねて、渋谷さんが頭をポンポン撫でてくれた。
「あっ、心羽!」
『・・・一十木くん、ただいまー』
「よかった、無事だったんだね。
波に流されたから心配・・・・・・って、なんか疲れてる?」
『物理的にさっき疲れたばっかだから全然大丈夫。うん・・・』
「??
・・・あれっ、那月は?」
「かくかくしかじかだ」
「へー、そっか・・・」
「大変だったんですね・・・」
「でもまあ、解決したみたいで何よりね!」
また出たよかくかくしかじか。
なんなの、なんで一十木くん達フツーに伝わってんの・・・!?
・・・そんなこんなで、夕食。←
どんなこんなだ。
私は薄ピンクのインナーと水色のパーカー、ジーンズに着替えて食堂に向かった。・・・いつの間に日が暮れたのかとか聞かないで、察してくれるとありがたいです。まる。
「お・・・ようやく主役の登場だね。
さあ、おいでエレ」
『おー・・・なんかいい匂い』
「ふふ、俺と神宮寺で和食と洋食を作ったんだ。
口に合うか解らんが、食べてみてくれ」
『わー、美味しそ・・・。
よくよく考えたら今日ほぼ何も食べてなかったんだっけ』
食堂には、立食形式で食べられるように長テーブルの上に和食と洋食が並べられていた。
・・・どこぞのレストランですか。
少しして四ノ宮くん達も来て、夕食が始まった。
四ノ宮くん達の親御さん達は最初ビックリしてたらしいんだけど、那月くんにお兄ちゃんが出来たみたいな感じに受け入れてくれたみたいで。「頑張って」と応援されてきたんだとか。
「・・・Aクラスに編入!?砂月が!?」
「言っとくけど、俺はあくまでもシンガーソングライター志望だからな」
「・・・では、コノハのライバルと言う事ですか?」
『は、負けないし』
「言ってろ」
・・・また、騒がしくなりそう。