第4章 手負いの白虎
ーどこかの浜辺・木陰ー
朔哉(獣型)
「………」
ここは……
どこだ…?
クソッ…
力が入らない…。
朔哉は深傷を負っていた。
始めての奪還依頼を終らせ、白ひげのとこのマルコから連絡があり3日後に会う約束をして目的地へと駆け出していた。
そこからの事が思い出せないでいたが朦朧(もうろう)とする意識を集中させ視線を彷徨わせるとはっきりとは見えないが声が聴こえて来た。
???
「どうだ?気がついたか?」
???(ネコの姿)
「あ!シャン!まだ白ネコさん起きないよ?」
くいくい
???
「ん?どうした?」
???
「白ネコさん大丈夫なの?」
???
「大丈夫みたいだな。」
(どうやったら白虎を白ネコと間違えるんだこいつは?)
???
「?」
???
「気付いたみたいだ。」
聞き覚えのある声と上半身裸の男と、その男の頭の上でネコが心配そうに見つめていた。
ん?待てよ?
ネコ…?
ネコは喋らねぇぞ…?
…シャンって『赤髪』か?
それにこの場所どこか見覚えが…?
あ~…何がどうなってるんだ?
朔哉
「………。」
???
「あんたこいつに感謝するんだな。」
朔哉
「……どう言う事だ?」
(こいつの顔はどこかで見た覚えが…。)
???
「なんだ、覚えてねぇのか?」
朔哉
「あぁ…。」
(この声は…やはり赤髪か…?)
???
「たまたま俺等が近くにいたのとこいつが血の臭いがするって教えてくれたから助かったようなもんだ。」
???
「シャンとエースお兄ちゃんとお散歩してたら血の臭いがしたの。」
朔哉
「エース?『火拳のエース』か!?」
ふらっ
???
「!まだ起き上がっちゃダメだよ~。」