第66章 星に願いを 前編
「秀星、くん……。」
秀星くんは、大丈夫なのだろうか。先程から、動画には何度か公安局職員が映っていた。秀星くんは、『執行官』だ。間違いなく、この暴動を鎮圧する側だ。この中で、秀星くんの身に危険があったら……。そう思うと、気が気ではなくなった。最新鋭技術の粋であるドミネーターもあれば、優秀なAIを搭載したドローンだってあるのだから、大丈夫なのかもしれない。……そう考えようとしたが、どうにもこうにも、胸騒ぎがした。結局、その日は全く暴動が収まる気配もないまま、私は動画を見るのをやめた。いつまで、暴動が続くのかということも、勿論心配だったが、それ以上に、秀星くんのことが心配だった。
色相を測定する携帯型測定器の画面には、ずっとエラーメッセージが表示されていた。
結局その日の夜は、不安で眠れなかった。