第60章 楽園
ふと、以前に秀星くんが、眼の近くを怪我したことを思い出した。その時には、何とも言えない心地がした。想像するのも嫌だけど、もしもあの時、秀星くんの眼球に傷がつくようなことがあれば、今ニュースで流れているような義眼が、秀星くんの目の代わりをするようなことになったのだろうか。目は目でも、パーツごとに分けられて、パーツ交換ができる世の中。便利だろうし、日常で不自由をすることも無いのだろうけれど、それはそれで、何となく寂しい気もする。何というか、秀星くんには、できるだけ、そのままでいてほしい。