第59章 罪 後編
私の視界は思いっきり反転した。一瞬のことで、何が何か分からなかったけど、私の眼の前には、秀星くんがいる。あぁ、この感触。どうやら私は、ソファーに押し倒されたらしい。身体に痛みは無いけど、あまりの勢いに驚いて、少しの間止まっていた私の呼吸は、浅く速いものになって再開された。――――――――でも、それ以上に、秀星くんの呼吸の方が荒かった。
トップスは、秀星くんの手によってたくし上げられ、私の腹部は外気に触れた。それが妙にくすぐったいような気がした。ブラジャーも、ホックを外されることなく、そのまま上へとずり上げられた。
「い、痛……!」
これは、さすがに痛い。でも、秀星くんは私を無視して、胸を触り始めた。触り方が、いつもの秀星くんに比べて、明らかに荒かった。正直なところ、あんまり気持ちよさは感じなくて、痛みの方が勝っている。
「い、痛……い……。」
でも、秀星くんに触れられているというだけで喜んでいる私がいるのも事実。
秀星くんは、私の言葉に返事をすることなく、ブラのホックだけを外してくれた。痛くはないけれど、これはこれで変な感じ。ブラジャーは、私の顎のすぐ下にある。
「……っ、ぁ……!!……ひゃあ、んっ!?」
私がそんな呑気(のんき)なことを考えている間に、秀星くんは、私の胸に荒っぽく胸に吸い付いた。いつもよりも、やっぱり気持ちよくは、無い。私の中で準備ができていなかったからなのか、それとも荒っぽくされているからなのか、どちらでもないのか。私にはよく分からなかったけど。
「ん、……んっ……!?」
秀星くんの行為は、止むことなく進んでいく。私の胸に触って、適当に吸い付いていただけの秀星くんだったけど、胸の先端辺りを、執拗に責め始めた。
「……ぃ、痛……」
これは、正直、痛い。歯こそ立てられていないけれど、先端って敏感だから、強く吸われただけでもだいぶ痛いのに。秀星くんが、私が痛がってもやめないなんてことは、今までで一度も無かったから、驚いている。でも、それだけ、彼の中に何かがあるということだろうか……。