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シャングリラ  【サイコパスR18】

第57章 ラヴァーズ・パニック Ⅴ


***

 斯(か)くして事件は解決へと進んだ。結局、このオーナーこそが、『ラブ・ラビリンス』のオーナーであり、同時にクスリを売買していたのだった。クラブバーの関係者数名に対して、クスリの売買を委託していたということだった。オーナーとロミオはそれぞれドミネーターによって裁かれ、施設送りとなった。
 狡噛と縢が連れ込まれたホテルは、元々廃棄区画にあり、各種スキャナー、つまりはシビュラの目の届きにくい場所に位置していた。それだけでなく、その部屋を含む数室が、電波暗室に近い状態だったとのことだった。そんなホテルだ。他の犯罪と関与している可能性が低くないとされ、追加で捜査の手が及ぶこととなった。
 狡噛は、救援が来てすぐに、医療機関に回されたが、1日と経たないうちに持ち直し、退院となった。もちろん、退院して翌日には、何事も無かったかのように勤務に戻っていた。まったく、この男のバイタリティは、計り知れないとかいうレベルを通り越して、一種バケモノのようですらある。


 何はともあれ、こうして潜入捜査は終了した。

―――――――縢の胸元に、紅い毒華を残して。




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