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シャングリラ  【サイコパスR18】

第43章 メイド・イン・ラブ Ⅱ


「ねぇ……。やっぱり、ちょっとだけ、触っていい?あ、モチロン、スカートの中に手ェ突っ込んだりしないから!」
「当たり前でしょ!……って、え……?さ、触るの……?」
「ダメ……?」
 秀星くんは寝ていて、私は座っている。必然的に秀星くんは上目遣いで私を見ることになる。秀星くんに弱い私は、断ることなんてできない。
「あー、やわらかい……。」
 私の返事なんて待たずに、秀星くんはメイド服の上で手を滑らせている。優しく撫でられているのが、逆にもどかしいというか……!
「ちょ、ちょっと……、秀星くん……?」
「うん?何?悠里ちゃん。」
 心底愛おしそうに名前を呼ばれてしまえば、細かいことなんてどうでもよくなってくる。秀星くんは、幼い頃に、こうして両親に甘えたりなんかしたんだろうか?秀星くんは、5歳で両親と離れている。だから、両親に甘えた記憶も、もしかしたらはっきりとは残っていないかもしれない。
「ねー、さっきから、何考えてんの?」
 秀星くんは、私の頬に手を伸ばしてきた。
「ううん。何もないよ。」
 余計なことを考えているのが、バレるかな……。
「ふぅん……?まぁ、いいけどさ……。」
 私は、指先で秀星くんの髪を撫でた。秀星くんは、気持ちよさそうに目を細めた。秀星くんが、数度深めに呼吸をしたかと思うと、体の動きが止まった。

……眠ってしまった、のかな?

 気付けば、秀星くんは、すやすやと規則的な寝息を立てている。綺麗に伸びた睫毛。それに、いつもとは違う、無防備な顔。もしかしたら、秀星くんは普段、相当に気を張っているのではないだろうか?今、私の膝の上で穏やかであどけない寝顔をしている秀星くんは、起きているときの印象とは少し違う。まぁ、印象が違っても、どれも秀星くんなんだから、私は好きだけど。
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