第43章 メイド・イン・ラブ Ⅱ
「あ、デザート持ってくんね!」
秀星くんは、自分はまだサンドイッチを食べていたにもかかわらず、レアチーズケーキを2人分持ってきてくれた。
「ごめんね……。」
「いーよ、そんなの。俺のペースは気にしなくていいから。あ、紅茶のティーバックは、カップの中にセットしてあるから、それはセルフサービスね。」
「うん。ありがとう。」
相変わらず、秀星くんは優しい。でも多分、秀星くんが疲れているのは、本当なんだろう。いつもより、食事のペースが遅い。疑っていたというわけではないけれど、さっきまで寝ていたというのは、間違いなく本当なんだろう。それでも、こうして私と過ごす時間を大切にしてくれている秀星くんの優しさが、胸に沁(し)みる。
ようやく秀星くんが、サンドイッチとコーンスープを食べ終えた。
「あ、お湯、いれてこようか?」
「うん。んじゃ、お願い。」
まだ口をむぐむぐと動かしながら、秀星くんが返事をしてくれる。そ、そういう仕草、やっぱり可愛いと思う……!
「はい、どうぞ。熱湯だから、気を付けてね。」
「ん。ありがと。」
紅茶にシュガーを流し込みながら、秀星くんはフォークを手に取った。
「……あ。」
秀星くんの声。
「どうしたの?カップに何か、入っていた?」
「ううん、そうじゃなくてさ。コレ、ケーキ!」
「ケーキ?」
会話の流れが読めない。
「ケーキ!悠里ちゃんが、俺に食わしてよ!」
…………。
「は?」
素っ頓狂な私の声が、お部屋に虚しく響いた。