第43章 メイド・イン・ラブ Ⅱ
「コレ、「メイド服」って言ってさ、100年ほど前に流行った服らしいよ!モチロン、ホロは使ってない、ホンモノの服!元々は仕事着だったらしいよ!」
「へ、へぇ~……。」
秀星くんが、矢継ぎ早に説明してくれるけど、正直、それを着ている自分を想像できない。腰部分にはリボンなんかも付いていて、可愛いけど……!
「元々、他人を世話するときに、この服を着て、仕事してたらしくてさ。俺も、これ着た悠里ちゃんに、甘えてみたいな~、なんて……。」
上目遣いでそう頼まれてしまえば、私に断ることなんて出来やしない。
「わ、私にできることなら……。」
正直、私にこれを着こなす自信なんて微塵もないけど、秀星くんがそう言うなら、秀星くんが私を少しでも求めてくれるのなら、着ないなんて選択肢は、無い。それに、こんなに可愛い服を着られる機会なんて、そう無いだろうし。
「着替え、手伝おっか?」
秀星くんが、目を輝かせて私に尋ねてきた。
「い、要らない!」
秀星くんから「メイド服」を奪い取って、適当な物陰へダッシュ。まずは、コスデバイスを起動して、ホロを解除。下着の上から「メイド服」を着用。……これで、いいんだよね……?元々履いていた黒いタイツは……そのままでいっか。
流石、ホロを使っていない服。素材の重さを感じる。これ、仕事着だったらしいけど、昔の人は、こんなフリフリとした服で、他人の世話をしていたんだろうか……。少し、非効率的な気がするけど……。歩こうとしたら、フリルとレースの付いた重たい裾が、膝の辺りに当たって、変な感じ。それに、鏡も見てないから、おかしくないかも分からない。