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シャングリラ  【サイコパスR18】

第40章 ふたり


***

「待ってたよ~!悠里ちゃん!今ならアツアツ出来立て!早く入って!!」
 秀星くんは、いつもと変わらない笑顔で迎えてくれた。そんな笑顔、勿体無いよ。私は一昨日、秀星くんのことを考えながらVRしながら自慰行為をしてました。昨日は、明日秀星くんに会えるとか思って、前に秀星くんに触ってもらった処(ところ)をお風呂で弄(いじ)ってました。そんな綺麗な笑顔を向けられたら、私が秀星くんを騙しているような気分にさえなってしまう。
「うん、ありがとう。」
 でも、小狡い私は、それを悟られないように、いつも通りに返事をする。
「ね、このニオイ、何か分かる?」
 秀星くんは、メールで感じた以上にテンションが高い。
「え……?わかんない……。でも、何だろう……、ほんのり甘いような……、お肉……?」
「惜しい!イイ線いってるぅ!」
 そう言いながら、キッチンの奥へ行って、お皿に「料理」を乗ってけてきてくれた。
「に、肉まん!?」
「当ったり~!冷めちゃうから、早く食べよ!座って座って~!」
 秀星くんは、テーブルの上に肉まんを2つ乗せると、そのうちの1つを素早く手に取って半分に割った。中から、たっぷりの具と、白い湯気が出てきた。追って、中に濃縮されていた匂いが、一気に溢れてきた。匂いだけでもお腹が空きそう。
「わ、わぁ……!」
 ある種感動的な光景に、思わず声が漏れた。
「ん~!うまそ~!」
 作った本人の秀星くんもこの反応。きっと、会心の出来なのだろう。
「ホラ!悠里ちゃんも早く!」
 秀星くんに促されて、私も肉まんを手に取る。熱いけど、冷めないうちにかぶりついた。皮だけでもほんのりと甘くて美味しい。そのまま、2口、3口と夢中で食べ進める。見た目よりも味がしっかりとついていて、肉汁もちょうどいい具合に閉じ込められていた。肉まんにしては中の具材が大き目な気もしたけど、食べ応えがあって、これはこれで美味しい。
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