第39章 ヒトリ
「……、っ、っく……。」
ずっと自分の乳首を弄っていた私の指が、するりと下へ下がる。「男性」がやったよりも少し遅れて、私は自分の割れ目をなぞる。
「……、っぁ……。」
声が漏れる。背徳的な感覚が、無い訳ではない。でも、止められない。
「男性」は、アバターを仰向けに寝かせて、どこからともなく手錠を取り出し、その両手をベッドの柵と繋いだ。手錠は、現在公安局で使われているような手錠じゃなくて、鍵式の――――所謂旧時代に使われていたらしい手錠だった。デジタルなんだか、アナログなんだかよく分からない世界観。でもそれ以上に、私は今、私が分からない。
「男性」は、抵抗できなくなった―――――元よりアバターは抵抗など微塵もしなかったが―――――アバターに跨(またが)り、とうとう自らの「モノ」をアバターのアソコへと宛がった。
「……っ、ぃ……、ぁ……。」
私は、自分の中指を割れ目に滑り込ませ、そのまま軽く挿入した。
「男性」はアバターに、激しい律動を開始した。
その動きに合わせるようにして、私は自分の指を「ナカ」で動かした。私自身が思っていたよりも、私の「ナカ」は熱かった。
「……、ぁ……。」
とろり、と私の「ナカ」から液体が溢れてきた。VRゴーグルの中では、「男性」の熱っぽい息遣いがひたすらに木霊している。そのうちに、「男性」はアバターの中に吐精したらしく、アバターの割れ目からは、白い液体が流れだしていた。『激しくして……』なる注文に応えるためか、「男性」は力の入らないアバターの手錠を外し、今度は四つ這いにさせた。
『どうした?まだまだ夜はこれからだ……。』
「男性」は、とびきり色気を孕ませて、アバターの耳元で囁いた。それが、VRゴーグルにも音声信号として私の耳へと届く。