第39章 ヒトリ

『可愛い……、可愛いよ……。』
　「男性」は、熱にうなされたように、私のアバターを触り続けている。そのうちに、「男性」は胸を弄るのをやめ、アバターのタイツを乱暴に、完全に剥ぎ取った。アバターはとうとう、下着1枚になってしまった。「男性」は、最初の優しい口調と優男のような所作を忘れたかのように、もはや獣のような目つきになっていた。呼吸は、どんどん浅く、荒いものになっている。アバターは、相変わらず泣きそうな表情で、「男性」の行為を無抵抗で受け入れ続けている。そのうちに、「男性」は、下着の上からアバターの割れ目を指でなぞり始めた。アバターの肢体はピクンと反応し、とうとう涙が1粒零れた。「男性」の指使いは妖しくなっていく。そして、執拗に一点を擦り始めた。アバターは、広いベッドの上でもがいているが、いよいよ限界に達したようで、ぱたりと動きが止まった。呼吸は荒く、肩で息をしている。そんなことにはお構いなしといった具合に、「男性」はいよいよアバターの下着を取り払い、一糸纏わぬ姿にした。先程まで一点を擦りあげていた「男性」の指が、いよいよアバターの割れ目の中へと侵入していった。アバターの表情が、恍惚としたものへと変わっていく。
『さぁ……、どこが弱いのかな……？』
　「男性」の言葉こそ優しいものだが、その実、そうではない。まるで羊の皮を被ったオオカミが、無力な兎に狙いを定めるような、そんな感じ。「男性」の声は、アバターへの絶対的な蹂躙（じゅうりん）開始宣言だ。
　男性の指は、2本、3本と増えてゆき、アバターは苦しそうに喘いでいる。