第31章 『猟犬』 Ⅰ
「公安局ドローンからも逃れているか、あるいはそのドローンからの情報送信も妨害している可能性だってあります。犯人を単独だと言い切るのは危険かもしれません。」
クニっちも、備え付けの端末を操作して、街頭スキャナの位置と地図、現場付近に送り込まれたドローンの位置情報を照らし合わせながら、何やら思考している。
『……チッ、まぁいい。現場に行けば、手掛かりがあるかもしれん。もうすぐ、港区・新橋に着く。北側は既に二係が捜査を行っている。我々一係は南側を担当することが決まっている。西側は六合塚と征陸と俺、東側を狡噛と縢だ。単独行動は極力控えて、対象を見つけた際は迷わずシビュラの判定に従え。ドミネーターの携行も許可する。それと、手掛かりが無かった場合でも定期的に通信だ。いいな?』