第28章 『執行官』 Ⅱ
「公安局刑事課だ!そこの女性から離れろ!」
とっつぁんが、ドミネーターを構えて威嚇する。男2人は、その威嚇に、明らかにビビっている。
「ひぃっ!?」
「ど、どうする!?」
やることが派手だった割には、小心者なのか?こいつら。
「俺はまだ、捕まりたくねぇ!」
「うあぁぁぁぁぁ!」
男のうちの1人は、銃を構えるとっつぁんに、隠し持っていたナイフを手に突撃してきた。当然、ナイフはとっつぁんにいとも簡単に弾かれ、とっつぁんの投げ技が決まった。そこに俺がパラライザーをぶち当てて、終了。さて、残るは1人。こいつはまた、往生際が悪いようで、床に落ちたナイフを女の首筋に当て、「来るな!」と繰り返し始めた。本来なら、人質を盾にしながらその場を離れるのだが、今回はそうはいかない。女は既にぐったりとしており、到底動ける状態ではないからだ。人質を散々犯したためにこんな状況になったのだから、自業自得以外の何物でもないのだが。女は全裸で、下半身は濡れていた。もう、意識レベルもかなり低い。ついでにこの場には、ツンとした独特の臭い―――――精液の臭いが満ちていて、それでなくてもかなり気分が悪い。
「おい!起きろよ!――――クソ女!使えねぇな!」
男は、女に向かって悪態をついている。オイオイ、それは多分、アンタが使えなくしたんだろうが。
「オイ、公安!俺に近寄ったら、この女……殺すからな!その銃を床に置け!銃をこっちに寄越せ!」
しかも、吠えまくりときた。うるせぇな。