第26章 クリスマスの白
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「座って。」
秀星くんに、ベッドの上に座るよう促された。私はベッドに腰掛けるけど、着ているものは膝丈のワンピース。少し、膝までしかないスカートの裾が気になる。秀星くんは、私の隣に腰掛けて、私の手を軽く握った。
「んじゃ、ご注文通り、悠里ちゃんを気持ちよくしたげるね?」
秀星くんの手に、僅かに力が込められたかと思ったら、次の瞬間には腕を引かれて、私は秀星くんの腕の中。
秀星くんの体温が、こんなにも近くて、こんなにも温かい。秀星くんの匂い。こんなにもドキドキしてるのに、安心する。秀星くんの温度が、心地良い。そのまま背中を指で優しく撫でられて、それだけで私は気持ちいい。しばらく撫でられ続けても、その気持ちよさは変わらなくて。ゆっくりと目を瞑っていたら、ふいに秀星くんの声。
「……、悠里ちゃん、あの、さ。」
「どしたの?」
秀星くんは、なぜかばつの悪そうな声。私、何かしたっけ?
「これ……、どうやって、脱がすの?」
「え……?」
どうやら秀星くんは、背中を撫でてくれていたのではなく、単にワンピースの脱がし方が分からなかったらしい。そんな可愛い事情を突きつけられて、私は笑ってしまった。
「ぷ、あはは……!」
「ちょ!笑うことないじゃん!」
秀星くんも、自分がカッコ悪いんだと思う。でも、私としては、そんな秀星くんだからこそ、愛おしいなぁなんて思う。
「だ、だって……!ん、いいよ、左脇の下にホックがあって、そこにチャックも付いてるよ。それを下げたら、あとは……」
「そこまで言わなくても分かるし!」
「だ、だって……、ぷ、あは……!」
唇を尖らせている秀星くんが可愛くて、よしよし、と言わんばかりに、私はぽんぽんと頭を撫でた。秀星くんは、さらにむすっとしたけど、そんなの、私にしてみればっと可愛くなるだけだってば。
私のワンピースを腰のあたりまで脱がせたところで、秀星くんは私を押し倒した。
「もう、悠里ちゃんに笑ってる余裕は与えねェし!」
言うや否や、秀星くんは私の唇にキスを落とした。そして、私のキャミソールの肩紐をずらして、擦り下げた。私の上半身は、あっという間にブラジャー1枚になった。
「あ……。」