第26章 クリスマスの白
『絶対喜ぶわよ!何なら、アッチの方面も、悠里ちゃんから誘ってあげれば、シュウくんとびつくわよ!』
―――――先生の言葉が、頭の中で再生される。
本当かは分からないけど、それで秀星くんが喜ぶかもしれないなら、ほんの少し背伸びしてみても、いいかな。
「ん?」
「さ、触ってもいい、から、さ。……、ちょっとでいいから、そ、その……、気持ちよく、して……?私も頑張」
私も頑張って秀星くんが気持ちよくなるようにする……、と言いかけたけど、秀星くんのせいで最後までは言えなかった。私は、秀星くんに抱きしめられてしまっている。ちょっと、腕の力が強すぎて苦しいぐらいだけど、いい。構わない。むしろ、秀星くんなら。
「前言撤回……なんてのは、ナシだぜ?」
秀星くんの顔は全く見えないけど、その声は、きっと獲物を追い詰めるときのそれだった。