第24章 ゲーム・パニック Ⅲ
「落ち着いた?んじゃ、手短に説明するから、しっかり聞いて。」
悠里ちゃんは、少しは落ち着いたらしく、「ん……」と、返事をした。よし。
「まず、悠里ちゃんは俺とコウちゃんが一緒にエロゲーをしたって思ってるけど、それは誤解ね。俺が6日前にコウちゃんとしたゲームは、これ。」
もう1台ある同機種の携帯型ゲーム機を見せ、ソフト挿入口を開けて、ソフトを取り出して見せた。そこに入っているのは、当然俺とコウちゃんがプレイした格闘ゲームのソフト。ラベルには、筋骨隆々な男が印刷されている。
「ワールド……バーチャル、ファイター……スペシャル2……?」
「そ。どっからどう見ても、格闘ゲームでしょ?」
「でも、あれ……?」
「んで、そっから数日後に、俺は2台ある同機種のゲーム機のうち1台のソフトをアダルトゲームに入れ替えた。」
「……うん。」
悠里ちゃんは大人しく俺の話に耳を傾けている。
「俺はソフトを入れ替えたことを忘れたまま、悠里ちゃんにゲームを渡してしまった。だから、俺は格闘ゲームを渡したつもりでいたけど、悠里ちゃんはアダルトゲームをプレイすることになってしまった……ってワケ。あとは、……分かるよね?」
「あ……、あ……。―――――――――ああああああああああああ!!!!!??」
全てを悟った悠里ちゃんは、今度こそ顔を真っ赤にして、絶叫した。口をパクパクさせて、本当に涙を零している。
「ご、ごめ、なさ……!私、頭の中で、その……、あ、……!!」
「いいよ、もう。全然怒ってねェし。」