第24章 ゲーム・パニック Ⅲ
悠里ちゃんは、多分恥ずかしさで大混乱といったところだろうけど、何度も俺に謝ってきた。俺はつとめて落ち着いて返事をした。でも、原因を作ったのは紛れもなく俺だし、悠里ちゃんにエロゲーをプレイさせてしまったので、謝られるのは正直悪い気もする。それに何より、すべての元凶は俺にあることぐらい、悠里ちゃんも分かっているだろうに、これだけ謝ってくるということは、考えられる原因は2つ。
―――――1つは、どんな理由であろうと、自分が原因で俺を不快にさせてしまったことを詫びるその精神。悠里ちゃんの優しさと言い換えてもいい。もう1つは――――――……、うん。
―――――悠里ちゃんの脳内で、とてつもなくエロい妄想劇場が展開されていた可能性だ。
さて、どっちなんだろうね。俺は、悠里ちゃんの頭を撫でながら、遠慮なく悠里ちゃんを笑っていた。
ここでサイマティックスキャンでもかければ、シビュラは悠里ちゃんの脳内を的確に解析してくれるんだろうか。
そんな考えがふと俺の頭をよぎったけれど、それは何というか、味気ない。きっとこんな風に、分からないままでいたほうがいいような、そんなことも多々あると思う。そうだ、味気と言えば、俺はメシができたって、悠里ちゃんを呼びに来たんだった。
「ハイハイ、もういいからさ、メシにしよ!今日のはすんごい自信作!早く食べよ!」
あんなに謝ってたのに、メシと言われれば、悠里ちゃんの瞳が大袈裟なほどに輝いて、悠里ちゃんは遠慮がちに頷いた。そう言えば、随分待たせてしまった。
ついでに俺も色々と疲れたような気がするけど、まぁいい。
悠里ちゃんとこうやって過ごせる今は、きっと幸せだ。