第24章 ゲーム・パニック Ⅲ
「……ね、教えてよ。」
言いながら、仕上げとばかりに耳朶を軽く舐めると、悠里ちゃんは羞恥に染まったような表情で、俺を見た。
「そんな顔するなら、悠里ちゃんが考えてたこと、現実にして見せてあげよっか?」
少し悪ふざけが過ぎただろうか?でも、いつもなら多少なりとも自分の気持ちや考えを口にする悠里ちゃんがここまで言い淀んでいる姿というのは、結構珍しい気がした。ということは、よほどエロい妄想でもしてたんだろうか。悠里ちゃんの妄想ってのも、中身が気になる。
「やっぱり秀星くんは、狡噛さんと、あのゲームみたいにしたの―――――――?」
―――――――――は?
あまりにも突飛な内容に、数秒間、脳がフリーズしてしまった。あのゲームって、エロゲーのことだよな?
「返事無い―――――ってコトは、図星なの!?―――――――……嘘……。」
悠里ちゃんは。俺の返事を待たずに愕然としている。
「え、ちょ、なんでそんな話になんの!?俺とコウちゃん、男同士だし、俺だって男は守備範囲外で……」
どうしてそんな話になっているのか、原因は不明だが、そんな事実は一切無いので、慌てて否定する。一体全体、どうなってるんだ?
「だって、狡噛さんが、ゲームしてたら熱くなって、実際にやりたいって言いだしたんでしょ?それで、秀星くんが狡噛さんに嫌だって言っても、へばるまでイイようにされたんでしょ?」
「え……?ちょ……!?」
話が読めない。悠里ちゃんの口ぶりだと、コウちゃんが俺を無理やり襲ったみたいな話になっている。それは無い。っていうか、男二人で部屋にいたって、一緒にエロゲーなんてやらない。
「い、一体、どんな想像してんのよ、悠里ちゃん!?」
思わず口走ってしまった俺。その問いに、悠里ちゃんの顔が一層赤くなった。
「――――――――っ……」
悠里ちゃんは、明らかに言葉に詰まっている。って、ちょっと待て。