第24章 ゲーム・パニック Ⅲ
あろうことか、アダルトゲームのスチル。それも、主人公がヒロインの尻にモノを突き立てている、まさしくそのシーン。
『いひゃああぁぁぁん!イイよぉ!リリアもっと気持ちよくなりたいのぉぉぉ!おく……っ、奥までじゅぽじゅぽしてぇぇぇぇ!もっとぉぉぉ!』
リリア役の声優の声が、程良い大きさで室内に木霊(こだま)する。イヤホンの挿入口に、ヘッドホンは刺さっていなかった。ヘッドホンは、携帯型ゲーム機が転がっていたそのすぐそばにあったのが、今更になって目に入った。
―――――――この状況を整理しようぜ、縢秀星。執行官といえど、俺だって刑事の端くれだ。冷静にこの状況を整理しようじゃないか。俺はやっと立ち上がった。
まず、俺は約50分前に、月島悠里にこの携帯ゲーム機を渡した。その時に入っていたソフトは――――――あ……。そういえば。コウちゃんが帰ってから、格ゲーのソフトを抜いて、別のソフトを入れた記憶が、……確かにある。今……、そうだ、今更思い出した。つまりこの前、俺はコウちゃんと格ゲーをプレイしたけど、その後にエロゲーを入れたのを忘れたまま、悠里ちゃんに携帯型ゲーム機を渡してしまった、そういうコトだ。そして、俺に手渡されたままに携帯型ゲーム機を起動させた悠里ちゃんは、図らずしもエロゲーをプレイしてしまった。ヘッドホンについては、いくら料理をしていたとはいえ、この音量なら流石に俺だって気付く。ということは、悠里ちゃんは俺が勧めたとおりにヘッドホンを使っていたが、何かの加減で―――――恐らくは椅子から落ちたときにでも、ヘッドホンが外れてしまった…………といった具合か。
状況は大体わかった。さて、問題はここからだ。