第22章 ゲーム・パニック Ⅰ
……ちょっ!?
……、あ~、そういえば、このゲーム、アダルトなゲームだったね。私、すっかり油断していたよ。この風情ある宿屋さんも、その昔にはたいそう繁盛していたらしい、ラブな宿泊施設さんに早変わりするんですね。
カオルくんは、悩んだ挙げ句、手順書通りにソウイウコトをすることに決めたらしい。リリアは相変わらず、息遣いを荒くしているだけだった。
「っ……。」
ゲームだから、デフォルメされた人間だからと思っていたが、内容はかなり濃かった。キャラクター同士が肌を触れ合わせているだけなのに、文字による描写や各種演出で、その温度や熱まで伝わってきそうなほどだった。思わず、私の脳裏には秀星くんが浮かんだ。秀星くんも、私にうんと優しく触ってくれたよね、とかそんな事を思い出しては、幸せな気分になるし、ほんの、ほんのちょっぴりだけど、えっちな気分になる。
私が秀星くんのことを考えている間にも、画面の中の行為は、どんどんと進んでいって、止まる気配がない。そのうちに、カオルくんの……モザイクがしっかりとかかったモノが……、リリアの中に侵入していった。
……、「本番」も、……あるんだ……。
アダルトなゲームなんだから、あって当たり前なのだろうけど、こういうゲームをプレイしたことのない私には、ちょっと刺激が強すぎるような気もする。秀星くんは、こんなゲーム、たくさんしてるのかな……。それとも、実際に女の子と……?……だから、こういうの平気なのかな。前者はともかくとしても、後者ならイヤだな。想像するだけで悲しくなってくる。