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シャングリラ  【サイコパスR18】

第22章 ゲーム・パニック Ⅰ


***

 秀星くんに言われた通り、ヘッドホンをつけて、ゲーム機の電源を入れた。データロード画面から、1番上のセーブデータをロードして、準備完了。どんなゲームか分からないけど、秀星くんがあそこまで言ったし、狡噛さんも一緒にプレイして熱くなったらしいから、もしかして名作なのかな。
 私の中で、期待が高まっていく。


~~♪~~~♪
 ロードが完了すると、ヘッドホンから穏やかな音楽が流れてきた。追って、すごくリアルな風の音。確かに、ヘッドホンで聴いた方が、音質が良い。携帯型ゲーム機だと思って、侮ってはいけないのかもしれない。

 しばらくすると、可愛らしい女の子が、画面に出てきた。
『ありがとう、カオルくん。』
 茶髪でツーテールの女の子は、白いワンピースに、腕輪やネックレスなどの装飾を付けていた。身の丈ほどの杖を持っているこの子は、さながらRPGに出てくる魔法使いといったところ。とはいえ、私は秀星くんのようにゲームに詳しいわけでもないから、本当のところはよくわからないけど。
『いいよ、リリア。厳しい戦いになるけど、君のことは僕が守るよ。』
 この可愛い女の子は、リリアというらしい。そして、姿は出てこないが、姿が出てこずにセリフだけ表示されるということは、主人公はこの『カオル』という男性なのだろう。声が全くついていないところをみても、彼が主人公の様子。
『カオルくんに守ってもらえるの、嬉しいな~。』
 リリアは、赤面して上目遣いでモジモジしている。目が大きくて可愛いけど、現実にいたら多分女子ウケはしなさそう。いやいや、二次元の女の子にそんなことを思ってどうする、大人気(おとなげ)無い。
『さぁ、目撃情報によると、この辺りの人間を困らせている魔獣は、この辺りにいる筈なんだけど、リリアは、さっきの手掛かりから何か分かる?探索魔法をお願いしてもいいかな。』
 対して、主人公のカオルくんは冷静な感じで好印象……まぁ、私は秀星くんの方が好きだけど――――って、私はゲームごときで何考えてんだろ……。
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