第22章 ゲーム・パニック Ⅰ
「この間、コウちゃんと一緒にプレイしててさ。悠里ちゃんは興味ないかもしれないけど、飽きたら別のことしてたらいいからさ。」
「ううん、する!」
「いい返事じゃん。んじゃ、俺はキッチンで続きしてっから、悠里ちゃんは向こうで待っててよ。」
秀星くんは、言いながら、キャスター付きの椅子を部屋の向こう、キッチンが見えない場所まで移動させた。
「その位置じゃ、秀星くんが見えない……。」
私は結構、「料理」している秀星くんを見るのも好きなのに。
「今日のは、できる限りサプライズにしたいのっ!完成したらすぐ呼ぶから!悠里ちゃんは向こうで待ってて!」
「は~い。」
そこまで言われちゃ、仕方ない。私は、言われた通り、向こうでゲームをして待つことにしよう。
「そんなに面白いゲームなんだ?」
狡噛さんもしたということは、結構面白いゲームだったりするのかな?狡噛さんがゲームするようには見えないから、そんな人がするゲームって、どんなのだろう。パズルゲームとかなら、狡噛さんも楽しめそう。というか、頭が良さそうだから、メチャクチャ上手そう。
「うん!コウちゃんもアツくなってさ~。ゲームした次の日、俺に、実際やってみたいなんて言い出すんだもんな~。俺が嫌だっつっても、コウちゃんに良いようにされてさ~。俺がへばるまで付き合わせるとか、マジ勘弁っつーか……って、こんなこと喋ってる場合じゃねェ!悠里ちゃんは、とにかくお腹空かせて待ってて!」
秀星くんは、足早にキッチンへと消えていった。私がゲーム機の電源を入れようと思ったその時、秀星くんが再びやってきた。