第20章 バースデー・サービス 後編
「ちょ、悠里、ちゃ―――――!?……っふ、あ……!?」
秀星くんは何か言おうとしてるけど、当然無視。そのまま、舌を這わせ続ける。
「ちょ、っ、悠里、ちゃ……、俺、男なん、だ、けど……?」
知ってるし。
私は、返事もせずに舐めつづける。
ぴちゃ、くちゅ、と、卑猥な音が室内に響く。それに重なるようにして、秀星くんの上擦ったような声が漏れて、その音に重なった。
「ちょ、悠里、ちゃ……ん、それ、焦らし、てんの?」
これも無視して、下を這わせ続ける。時々、吸うような刺激も織り交ぜながら、秀星くんの胸の辺りをゆっくりと愛撫し続ける。―――――ただし、いちばん感じるであろう胸の突起にはギリギリ触れないよう、細心の注意を払いながら。
――――――ちゅ、ぴちゃ、ちゅく
「……、流石に、……、っは、……焦らし過ぎじゃない?」
秀星くんの声に、僅かに悩ましげな色が乗った。
「……。」
私は、返事もせずに、舐め続ける。そして。
――――――ちゅう……
「―――――――っふ、ぁ―――――!?」
秀星くんのとびっきり妖艶な声。私は、とうとう秀星くんの胸の突起を吸い上げたのだ。
唐突に与えられた刺激に、秀星くんは、ビクンと躰を波打たせた。私は、秀星くんの反応に満足しつつ、そのまま胸の突起へ、刺激を与え続ける。
「―――――ちょ、悠里、ちゃ――――!?ぁ、ん―――!?」
秀星くんは、私の頭を両手で掴んで、引き剥がそうとしているみたいだけど、その力はいつものそれとは程遠くて、私は愛撫を続けた。
何となく秀星くんの顔に目をやると、口の端から涎を垂らして、蕩けたような表情になっていた。
―――――ねぇ、秀星くん、気持ちいい?
私は、声に出さずに、心の中だけで秀星くんに尋ねてみた。
「っは―――――あぁ……!悠里ちゃん、もう、やめ……!」
微妙に呂律(ろれつ)が回ってないよ、なんてツッコミも、心の中だけにとどめておきながら、最後にちゅっ、と音を立てて、私は秀星くんの胸の突起から口を離した。