第20章 バースデー・サービス 後編
「折角だし、今日は悠里ちゃんが俺を気持ちよくしてよ?」
紡がれた言葉はなかなかに衝撃的だった。
「わ、私が秀星くんを気持ちよく……?」
どうしよう。気持ちよくしてなんて言われても、私はどうしたらいいのか、見当もつかない。
「え……、どうしたら……?」
「難しいことはいいからさ、悠里ちゃんが気持ちいいって思うことを、俺にしてくれればオッケー。」
「私が、秀星くんにしてもらって、気持ちいい、こと……?」
秀星くんに言われるがままに、秀星くんにされたことを思い出す。抱きしめられたのも嬉しかったし、キスも、躰を触られるのだって、気持ちよかった。あとは、私が秀星くんの指を舐めたときに、秀星くんが気持ちよさそうにしてたのも、見ていて気持ちよかった。どうしようかな。たくさんあり過ぎて、何をどうしていいか分からない。
「あっれ~?悠里お姉さんは口だけなのかな~?」
いつもの軽口、挑発。こっちは必死に考えてんのに……!……、そうだ。アレって、効くのは女の子だけとは限らないはず……!
「えい!」
私は、秀星くんの後ろがベッドたということを確認してから、勢いをつけて秀星くんを仰向けに押し倒した。
「……っと。ナニ?悠里ちゃんにしては、思い切ってんね。」
喋る秀星くんは軽く無視して、ランニングを捲り上げた。同時に、私が秀星くんの上に、体重はかけないようにして四つ這いになる。
秀星くんの両腕を、自分の両手で押さえつけて、秀星くんの胸、心臓の上あたりに一度だけキスを落とす。
「何してんの?悠里ちゃ――――!?」
――――――ぴちゃ、ちゅく
「ひ、――――――う、ぅあ――――!?」
私は、秀星くんの胸の辺りに舌を這わせた。