第19章 バースデー・サービス 前編
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秀星くんの美味しい「料理」を食べて、シャワーも済ませて、今はソファでまったりと秀星くんを待っている。秀星くんが何時に生まれたのかは知らないけど、0時まであと2時間。何となくソワソワする。秀星くん、はやく来ないかな。手持ち無沙汰な私は、何となく自分の端末に手を伸ばして、0:00にアラームをセットした。
「お待たせ~」
そう言いながら、秀星くんがリビングに来てくれた。髪はもう乾かしたようで、乾いてサラサラしていた。うん、髪を下ろした秀星くんってやっぱり可愛い。仕事では髪をセットしてるみたいだから、セットしてない髪を見られるのって、ちょっと特別な感じがして、嬉しい。
「……?何?」
秀星くんは、私の視線に気づいたみたいで、不思議そうな視線を返してきた。
「ううん、何でもない。」
私がニヤけながら返事をすると、秀星くんは「何だそれ」って言いながら、キッチンへ行って、水を飲んだ。
「悠里ちゃんも飲む?」
「ううん。さっきもらったから、いいや。ありがとう。」
秀星くんは、やっと私の隣に腰を下ろしてくれた。
「もうちょっとで、21歳になるね。」
私から口を開いた。
「つっても、いっこ歳食うだけだけどな。でも、こうやって、悠里ちゃんに祝ってもらえんのは、嬉しい。……、その、ありがと。」
ちょっと照れてるのかな。秀星くんは、私から目線を外しながら言った。そんな秀星くんを見て、私はどうしようもないぐらいに、秀星くんに触れたくなった。
――――――秀星くん、触ってもいいですか。