第18章 誕生日
秀星くんが、私を傷付けることに、悩む―――――?
「そんなの、逆です!私の方が、秀星くんに対して、失礼な態度取りましたし、嫌なことだって……、いっぱい言いました、から……。傷つけてるのは、私の方、で……。」
どうしよう、涙が出そう。最後の方は、声が情けなく上擦った。
「――――――シュウくんは、幸せ者ね。」
先生は、コーヒーを一口飲んで、ふぅ、と息を吐いた。そして、言葉を続けた。
「いいわ、悠里ちゃん。もし、貴女が本当にシュウくんのことを好きなら、そのままでいなさいな。大丈夫。悠里ちゃんなら、何か、みえる世界があるわ。だから、そのままの貴女で、シュウくんの傍にいてあげて。」
「―――――はい。」
先生の言葉は、正直言って意味が理解できるものではなかったけれど、私の胸にすとんと落ちてきて、違和感なく馴染んだ。唐之杜分析官――――不思議な人だと思った。