第16章 官能クライシス Ⅱ
「きゃぁ―――――!?」
悲鳴を上げてしまったけど、驚いた私よりも、秀星くんの方が、呼吸が荒かった。
「はぁ……、は……っ、んじゃ、もっと悠里ちゃんを気持ちよくしてあげる、ね?……こんなにえっちな悪い子には、もっとお仕置きしないと。」
秀星くんは、不敵に笑ったかと思うと、何も纏っていない私の胸に触れてきた。
「―――――――――ッ!!!」
下着の上から触られたのとは比べ物にならないぐらいの刺激が、私の躰を駆け巡った。
「きゃ―――――――、あ、あああ――――!」
声が抑えられない。自分の声とは思えないぐらいの声が、私から出て、それにもびっくりする。
最初はなんとなく胸全体を触っていた秀星くんの手が、次第に胸の敏感なところに触れ始めた。
「………!!」
少し触れられただけなのに、私の躰がビクンとなった。―――――ダメ。このままじゃ、おかしくなる。
私は、秀星くんの手をつかまえた。
「だ、め……。やっぱり、は……はぁ……、はぁ……私、っく、おかしく、なりそう……。」
悲しくもないのに、涙が出てきた。
秀星くんは、荒い息のまま、数秒ほど私を見つめた。
「っ、はぁ……、はぁ……。」
秀星くんは、官能的な視線を寄越してきて、私の唇に、触れるだけのキスを降らせた。唇が離れていくのが名残惜しいと思ってしまった私は、きっともう、どうかしてる。どうにかなってる。
「きゃあ……んっ……!?ん、――――あぁ……」
秀星くんの指に、胸の突起を弄られるだけで、おかしいぐらいに躰が熱くなって、じんじんして、それでももっとしてほしくなる。口からは、もう飲み込めなくなった涎が、だらしなく垂れていて。時々、秀星くんが唇で拭ってくれる。声なんて、おかしいぐらいに出て、止められない。
「……っ、――――――悠里ちゃん、かわい~……。……ね、今度はご褒美、あげよっか……?」
秀星くんは、手を休めることなく、私に話しかけてきた。秀星くんは、呼吸が整ってきていて、今度は私の方が息を切らしていた。