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シャングリラ  【サイコパスR18】

第15章 官能クライシス Ⅰ


「―――――――っ!」
 なんでそういうこと言うの!でも、単純な私の脳は、あの甘さを思い出している。甘いかどうかも分からなかったメープルシロップだったはずなのに、ひたすらに甘い記憶。――――――あぁ、そうか。メープルシロップじゃなくて、秀星くんが甘かったんだ。

―――――――チュ

 瞼の上に、秀星くんの唇が降りてきた。さっきもそうだけど、わざとリップ音を立ててるよね?これ。でも、秀星くんに「好き」って言われてるみたいで、気持ちいい。
「瞼も、何か意味があるの?」
「気になる?」
「うん。」
「内緒。」
 薄暗い中で、目を細めて少年のように笑う秀星くんは、不思議と輝いて見えた。
「な、なにそれ……んっ……!」
 唇を塞がれた。同時に、秀星くんの片手が、私の後頭部にあてられた。
「ん……、んんっ……!?」
 もう片方の手が、私の背中の辺りにまわされて、その手がくすぐったい。そんなことを考えている間に、キスが深くなってきた。最初は、唇を合わせるだけだったのに、角度を変えて、私の唇を挟んできた。
「……んんっ!」
 口を離して抗議しようにも、秀星くんの手でホールドされていて、動くに動けない。
「――――――んっ!!?」
 そのうちに、ぬるっとしたものが、私の口内に侵入してきた。―――――舌?でも、なんか、気持ちいいかも……。でも、息が苦しくなってきた。
「ん……、っん……!」
 苦しい。涙が出そう。そう思ったところで、やっと秀星くんが唇を離してくれた。
「―――――っぷは、はぁ……はぁ……。」
 頭がぼーっとする。口の端から、涎が垂れてきたのを感じて、慌てて手の甲で拭った。そうしたら、秀星くんが、私の手を取って、ぺろりと舐め上げた。
「ちょっ……!?」
「気持ちよかった?」
 秀星くんは、余裕の顔。
「え……?」
「だから、キス。気持ちよかった?」
「……、……。」
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