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薄桜鬼~いと小さき君の為に~

第1章 情けない狼~土方歳三編~


「では後程、男衆にお部屋まで案内させますから…。」

そう言って君菊と葛葉は部屋を出て行った。

俺は近藤さんに少し席を離れる事を告げると

「ああ…我々は適当に切り上げて帰るから、
 たまにはトシものんびりと息抜きしてくれ。」

と有難い承諾を貰った。


その後、迎えに来た男衆に案内された部屋には下品な色をした布団が一組だけ敷いてあり、その如何にもな雰囲気に俺の手酌酒の勢いも増す。

暫くすると「失礼します」と声が掛かり、真紅の襦袢姿に着替えた葛葉が入って来た。

襦袢しか身に付けていない葛葉の身体は、胸の膨らみも腰の張りも全く足りてなく、直ぐに手折れそうな小枝のようだ。

でもそれが奇妙な色気を醸し出していて

「………悪かねえ。」

俺はそう呟いた。

「……宜しく…お願い致します……」

再び恭しく三つ指を付いて頭を下げた葛葉は、気後れしたように其処から動かない。

「何やってんだ?目の前にいるのはお前の初めての男だぜ。
 酌ぐらいしろ。」

「は…はい。申し訳ありません。」

葛葉は慌てて俺の前に膝を付くと徳利を手に取り、持っている盃に酒を注ぐ。

徳利と盃がかちかちと音を発てて、葛葉の手が震えているのが分かった。

堪らねえな……。

これまで数え切れない程の女を抱いたが、こんな反応をされたのは初めてだ。

盃の中の酒を一気に飲み干し、葛葉の肩に腕を回して噛みつくように口付ける。

「んんっ………」

葛葉が持っていた徳利がその手から離れ、中の酒がとくとくと畳に染み込んでいった。

そのまま背後の布団に押し倒し、襦袢の上から俺の掌で全て包み込める程の小さな乳房を激しく揉み拉くと葛葉の両手が俺の胸を押し返した。
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