第6章 愛しすぎている~風間千景編~
どちらからとも無く唇を寄せて、啄むような口付けを飽きる程に重ねる。
やっと唇が離れると、千景は私を抱く腕に力を込めて静かな声で言った。
「お前、子を生む気はあるな?」
「子供が欲しいの?」
「ああ……お前との子が欲しい。」
「………………っ」
その言葉に自分の頬が紅く染まってしまう。
あからさまに照れている癖に、尚も強がってしまう私は本当に可愛い気の無い女だ。
「それは……最高の口説き文句ね。」
千景はそんな私の強がりを簡単に見透かしたような目をして続けた。
「言っておくが、一人や二人では済まさんぞ。
覚悟しておけ。」
ああ…どうやってもこの男には敵わない。
もう、この男の口から紡がれる言葉を全て受け入れてしまおう。
完全に私の負けだ。
でも、先程まで感じていた悔しさはもう微塵も無かった。
「いいわよ。何人でも産んであげる。
千景がずっと私を愛してくれるなら……。」
やっと素直になった私を見て、千景はとても満足そうに笑った。
「ふん……それは要らぬ心配だな。
結…お前はこの先、生涯を掛けて俺に愛され続けるのだから。」
ほらね、こんな言葉を平気で口に出来る男にやっぱり敵う筈が無い。
私は何も言えず、只々千景の胸に頬を擦り寄せるしかなかった。
「そんな愛い姿を見せられては、どうにも堪らぬな。」
「……え?」
千景の身体が一気に熱くなるのを感じた。
「先ずは一人目を……急ぐとしよう。」
不敵に笑った千景が私の肩を押して仰向かせると、内股に進んだ手で再びゆっくりと開脚させられた。